フライパンにごま油を温め、
ニンニク、玉ねぎ、唐辛子、セイタンの順に炒めます。
角に切った豆腐を加えて山椒醤油をまわし入れ、
しばらくしてからトマト、レタスを足して炒め、
水溶きの吉野葛でとろみをつけます。
仏典では、
ニンニクなどを蒜と書き、強い臭いから葷、辛味から辛とも呼ばれます。
精進料理では、
そのようなものは避けるべき、という意見もあり、
代表的な臭気と辛味のある野菜を五辛(ごしん)と云います。
五種類は、
ねぎ、にら、にんにく、しょうが、はじかみ、らっきょう
など経典によって異なります。
上の玉ねぎ、山椒、唐辛子もその仲間。
なぜ避けるべきかは、経典にいくつか典拠があります。
それは、栄養に関する戒律のうちの食蒜戒で、
禁止された理由は、
尼僧たちが畑の蒜を全部採ってしまったから(たぶんうまいから)
臭気があり、食べると信者から嫌悪されるから
と四分律、僧祇律、五分律などにあります。
『楞伽経』などには
これらの辛味は、
熟したものは淫を発し
生のものは怒りを増すから、
と書かれています。
辛味と臭気のある野菜は、殺菌力があり防腐剤になります。
また、脂肪・油をよく溶かすので、肝臓の薬になり、
適量ならば肺の滋養になります。
本来、精進料理では
仏に供えたものを下げて食材にするのが前提なので、
お供えにはしない臭いものは使わなかったのでしょう。
食べ物は食べれば何でも精力になるので、
精がつくから禁止、というのは関係ないかな。